生醤油で作る「ラーメン醤油ダレ」の作り方(1)
【プロ直伝】生醤油を使ったラーメン醤油ダレの基本の作り方・レシピ
醤油ダレはすべてのラーメンの基本となるタレと言えます。元々塩ダレが基本であった中国のラーメンに、蕎麦の醤油かえしを入れて調味し始めたことから、中華そばという名前に至ったと言われています。まさに醤油こそが今日の日本のラーメンを確立させた立役者とも言える存在ですね。
醤油タレには大きく分けて以下の4つの作り方が存在します。
- タレを主体にした味:タレの味が主軸となるラーメンになる。
- スープを主体にした味:タレや塩分調整や、醤油・味噌・副材の香りを補う味作りとなる。
- 塩分の高い味:スープとの比率が低く、タレは少量でも味が強く出る。少量のタレの増減でも味に変化が大きい。
- 塩分の低い味:スープとの比率が高く、タレの量が多い。多少のぶれでも味の変化は少ない。
以上の基本4項目に、チャーシューのタレを使った作り方、乾物や出汁を加えて作る作り方、スープを加えて作る作り方など、93個の醤油ダレレシピを解説していきます。
この章では生醤油を使ったラーメン用の醬油ダレの作り方を解説します。
材料
- 生醤油A…100mℓ
- 生醤油B…100mℓ
- 生醤油C…100mℓ
- 鰹節…20g
- 出汁昆布…10g
- 味醂…50mℓ
- 完成量…350mℓ
作り方
- 材料を30分ほど弱火で火入れして完成。
コツ・ポイント
醤油の風味を残しながら火を入れるのがポイントです。生醤油には微生物が活動しているが、60~80度で酵母や乳酸菌、一般細菌が死滅する。80度で30分経つと酵素も失活する。
生醤油とは
「醤油」とは、一般的に、発酵・熟成をしてから”火入れ”という加熱処理を行います。火入れとは、製造過程で瓶詰めをする前に65度~80度程度の熱をかけて微生物を殺菌することを言います。火入れを行うことで醤油らしい色合いや香ばしい風味が引き出されるのに対し、生醬油は火入れを行わずにろ過のみを行った醤油を指します。熱を加えて微生物を殺菌するのではなく、ろ過によって微生物を取り除いており、その味はまろやかな口当たりと、穏やかな香り、鮮やかな色合いが素材の味わいを引き立てます。
生(き)醬油と、生(なま)醬油の違い
生(き)醤油とは、火入れを行い、微生物を殺菌してから、その後何も加えない醤油の事を言います。もちろん、アルコールや保存料を加えたら生醤油とは呼べません。
生(なま)醬油とは、火入れを行わずに微生物をろ過した醤油の事を言います。
因みに醤油には5種類あり、「濃口醤油」「薄口醬油」「再仕込醤油」「溜醬油」「白醤油」です。素材を活かす白醤油から、熟成期間が長くうま味たっぷりな溜醤油まであり、全て風味が違うのがポイントです。