「年越し師走鍋」レシピ〜おせち料理の作り方(松本忠子レシピ)〜

年初めのおせち料理は、一年に一度の出会いの味。新しい年がより歳になるようにと心を込めて作ればこそ、家族はもとより、歳神様にも喜んでもらえるのだと思います。床飾りの掛け軸の富士山、おせちを収める蒔絵の重箱など、晴れの道具で新年を飾りつける。そんなめでたい日にこそ作りたいおせち料理のレシピを、松本忠子先生のレシピとして掲載していきます。


大晦日の夜年越しのおそばをいただく習慣は、江戸期以後のものとか。お正月の用意もすべてすませてほっと一息、今年も大過なく過ごせたことを感謝しつつ、来る年の吉運を願い用意する、年越し招福の鍋仕立て。
忙しい中で、夕食も兼ねての温かい鍋は心和らぐおいしさ。細く長く、今年の幸せが来年に続くようにと願いを込めて。

※画像はイメージです

材料 

  • えび…12尾
  • 焼きあなご…3枚
  • 油揚げ…2枚
  • 白菜…5枚
  • 三つ葉…1パック
  • えのきだけ…1パック
  • 生しいたけ…6枚
  • 菜の花…1/2束
  • 乾そば…300グラム
  • 長ねぎ…1本
  • わさび、のり…各適宜
  • てんぷら粉、冷水…各適宜
  • 揚げ油…適宜
  • そばつゆ、だし汁…各適宜

そばつゆ(約6カップ分)

  • 水…5カップ
  • だし昆布…20グラム
  • 干ししいたけ…2枚
  • かつお節…40グラム
  • 酒…2/3カップ
  • みりん…1/2カップ
  • しょうゆ…1と1/4カップ

作り方 

①まず、そばつゆを作る。鍋に分量の水と昆布、干ししいたけを入れて、30分ほどおいた後、中火にかける。沸騰直前に昆布だけ引き上げる。
②①に1/4カップほどの差し水をし、かつお節を入れて一煮立ちさせたら、酒以下の調味料を加え、あくを取りながら5分ほど煮て火を止める。かつお節が沈んだら布でこす。そばつゆは必要な分だけ使い、残りは瓶に入れて冷蔵保存しておく。
③焼きあなごは、6センチ幅に切り、さらに縦に1センチ強の幅に切る。
④油揚げは、横に二つに切り、小口より5~6ミリ幅に切る。
⑤えびは、頭を落とし胴の殻をむき、背わたを抜いておく。尾の手前にある三画の部分には水が含まれているので、油がはねないように切り落とす。
⑥えのきだけは根元を切り、さらに二つ切りにする。
⑦生しいたけは軸を取り、薄切りにする。
⑧菜の花は、かたい軸の部分は切り取ってさっと色よくゆでておく。
⑨白菜は、白い軸のほうは6センチ幅に切って縦に薄く切り、葉のほうは細切りにする。
⑩三つ葉は、6センチ長さのざく切りにする。
⑪てんぷら粉を冷水で溶いて衣を作り、熱した揚げ油でえびのてんぷらを揚げる。
⑫そばを好みのかたさにゆでて、器に盛り、③~⑪までを彩りよく盛り合わせる。
⑬鍋に、つゆをだしで好みの濃さに割って煮立て、用意した具をさっと煮ながらそれぞれの味わいを楽しむ。

●つゆが薄まったり、少なくなったりするので、そばつゆ、だし汁を足しながら供する。

多忙を補う、師走の料理

十二月に入ると忘年会、クリスマスにかこつけた会が重なり、忙しさに大切な食事作りがおろそかになりがちになります。ごちそうなのにもかかわらず、よそでいただく食事が続くとバランスが崩れるのでしょうか、家族の誰彼となく、野菜が足りないと言いだします。
ふだんなら副菜か副々菜ぐらいのような「小松菜とじゃこの煮びたし」、有りものの野菜の「きんぴら」「野菜サラダ」などが主菜を抑えて食卓に並びます。
またこの月我が家では、「おでん」をはじめ、煮込んでおけるシチュー類も定番料理としてよく登場します。さらに、用意が簡単な鍋料理も、忙しかった日の夕食には向いているものです。
寒い時期のそんな折りに、ものの十分ほどで用意ができ、食べ始められる「もやし鍋」をご紹介しましょう。
まず、土鍋に湯を沸かします。その間にもやしを洗ってざるに入れ、豚のしゃぶしゃぶ用肉を皿にのせて準備完了。
あとは粉がらしを熱湯で溶き、もやしと肉をさっと鍋の湯で煮ながら、先の溶きがらしとしょうゆで食べるというシンプルなものですが、それだからこそ飽きがこないらしく、いつしても文句が出ない簡単鍋です。
師走鍋は、年越しそばを煮ながら好みの具をのせて食します。正式には今年と来年をつなぐお年越しの意味合いなのでしょうが、これは我が家風の大晦日鍋です。ふだんの月ですと、そばをうどんやお餅に代えて、野菜、魚介類、鶏肉などと盛り合わせての寄せ鍋もよくいたします。用意さえしておけば、あとは簡単、手軽なうえに、眼福、口福ともに満足させてくれるこのおもてなし、忙しい時期にはぴったりと気に入っています。
一つ鍋をつつき食すことは、味だけではなく、ぬくもりも共有できるように思われます。

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注意事項

※著者「松本忠子」の『おせちと年末年始のおもてなし』より記載したレシピになります。
※著作権者本人様より掲載の許可をいただいております。

参考文献

■作品名:『おせちと年末年始のおもてなし』
■著者:松本忠子
■出版社:文化出版社