富山ブラックラーメンとは？特徴・有名店・作り方を初心者にもわかりやすく解説
minezaki
富山ブラックラーメン完全ガイド｜特徴・歴史・作り方・人気店徹底解説
はじめに
富山ブラックラーメン——その名の通り、真っ黒なスープが目を引くインパクト抜群のご当地ラーメンです。
富山県富山市を中心に発展したこのラーメンは、見た目に反して旨味が強く、意外にもあっさりとした飲み口で知られています。
スープの黒さは濃口醤油の色であり、醤油の香りと塩気を活かした“しょっぱ旨い”ラーメンという独自のポジションを築いてきました。
もともとは戦後、肉体労働者の塩分補給を目的に「大喜（たいき）」という店が提供したのが始まり。
ごはんと一緒に食べることを前提としていたため、スープは非常に濃い味付けで、チャーシューやメンマも味がしっかり染み込んでいます。
麺は中太のストレート麺が主流で、しっかりとしたスープに負けない存在感。
スープが真っ黒でも、魚介や動物系のダシを効かせて旨味を引き立てており、「ただしょっぱいだけ」で終わらない**“富山ブラックならではの中毒性”**を持っています。
近年では、その見た目のインパクトとご当地性から注目度が高まり、富山県外にも専門店が登場。
インスタントラーメン化や駅弁とのコラボも展開されるなど、“ご当地名物”としての地位を確立しつつあります。
本記事では、富山ブラックの歴史、味の特徴、スープや麺、トッピング、有名店、開業のポイント、再現レシピ、業務用活用法まで、飲食店向けに深掘り解説します。
目次
富山ブラックラーメンの歴史
富山ブラックラーメンは、戦後間もない1947年頃、富山市の「西町大喜（にしちょうたいき）」で誕生しました。
もともとは、工場労働者や肉体労働者の塩分補給を目的に、ご飯のおかずになるよう濃い味に設計されたのが始まりです。
真っ黒なスープは濃口醤油を大量に使ったもので、チャーシューやメンマにも強い味付けが施されていました。
当初は“非常にしょっぱい”ラーメンとして話題になりましたが、その独自性が口コミで広まり、富山名物として定着。
近年では「ご当地ブラック系」として全国的な人気を獲得し、今や富山を代表するローカルフードとなっています。
3つの歴史的ポイント
- 1947年「西町大喜」で誕生したご飯のおかずラーメン
- 労働者向けに塩分と醤油を強く効かせた濃口スープが特徴
- 富山の名物として定着し、全国でも注目されるご当地ラーメンに発展
富山ブラックラーメンとは？
富山ブラックラーメンの最大の特徴は、漆黒のスープにあります。
見た目のインパクトは強烈ですが、単に濃いだけでなく、醤油のキレ・旨味・香ばしさが調和した奥深い味わいを持っています。
麺はスープに負けないように中太のストレート麺を使用し、しっかりとした食べ応えがあり、ごはんと一緒に食べるスタイルも健在。
さらに、チャーシューやメンマにも濃い味付けが施され、全体として“濃厚ながらもキレのある一杯”に仕上がっています。
他のラーメンにはない“しょっぱ旨い”個性が、中毒者を生み出す所以です。
3つの特徴ポイント
- 黒く濃口な醤油スープに香ばしさと旨味が凝縮
- 中太ストレート麺がスープの濃さにしっかり絡む
- ごはんと一緒に食べることを前提とした濃い味構成
富山ブラックラーメンに合う食材
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富山ブラックラーメンのスープの秘密
富山ブラックラーメンのスープは、濃口醤油をベースに、鶏ガラや豚骨、魚介などの旨味を重ねて作られます。
その最大の特徴は、真っ黒になるほどの醤油濃度と、舌にビリッとくるような塩気。
しかし実際には、ダシの旨味と香味野菜の風味がしっかりと下支えしており、「ただしょっぱいだけ」では終わらない、奥行きのある味わいが魅力です。
醤油は地元富山の濃口タイプを使う店も多く、香り高さとキレの良さが際立つスープ設計となっています。
香味油を加えることで、さらに香ばしさや深みをプラスしている店舗もあります。
富山ブラックスープのポイント
- 濃口醤油を主体にした漆黒スープが特徴的
- 鶏ガラ・豚骨・魚介の旨味で塩気に奥行きを出す
- 香味野菜や油を加え、しょっぱ旨い味に仕上げる
富山ブラックラーメンの麺の特徴
富山ブラックラーメンには、中太のストレート麺が主に使われています。
真っ黒で塩気の強いスープに対抗するため、加水率はやや低めでコシが強く、小麦の風味がしっかりと感じられる麺が選ばれています。
スープの染み込みも良く、ズルッと啜るたびに醤油と出汁の風味が口いっぱいに広がるのが魅力です。
また、戦後の労働者文化の名残から、ごはんと一緒に食べるスタイルが多く、麺は単体でも満足度の高い仕様になっています。
「噛み応えのある麺」と「強いスープ」のバランスこそが、富山ブラックの中毒性を支えていると言えるでしょう。
麺のポイント
- 中太ストレート麺でスープに負けない力強さ
- 低加水でコシと小麦の香りが活きる設計
- スープをしっかり吸い込むため、味の一体感が強い
富山ブラックラーメンのトッピング特徴
富山ブラックラーメンのトッピングは、シンプルかつ力強い味付けが特徴です。
代表的なのは、濃い味に仕込まれたチャーシュー・極太メンマ・刻みネギの3種構成。
チャーシューは醤油ベースでしっかり煮込まれ、スープと一体感のある深い味わいに仕上がっています。
極太メンマも濃いめの味付けで、ポリポリとした食感がアクセントに。
さらに、大量の刻みネギがトッピングされることで、重くなりすぎず、後味を引き締めてくれます。
“ラーメンをご飯と一緒に食べる”という前提があるため、ご飯のおかずになるように全体的に濃い味設計になっているのが最大の特徴です。
トッピングのポイント
- 濃口スープと調和する醤油ダレの煮豚チャーシュー
- 極太メンマの食感がスープと好相性
- 刻みネギでバランスと後味のキレを演出
富山ブラックラーメンで開業のポイント
富山ブラックラーメンは、その見た目のインパクトとご当地感による強い差別化が魅力です。
SNS映えするビジュアルと“しょっぱ旨い”味わいで、記憶に残るラーメンとして集客効果が高いジャンルと言えるでしょう。
また、構成要素は醤油・鶏ガラ・豚ガラ・魚介など、比較的シンプルな素材で構築できるため、業務用スープでも再現性が高く、導入のハードルが低いのもメリットです。
競合が少ないため、他店との差別化を狙いたいエリアやFC展開、サブブランド導入にも適しているラーメンです。
開業のメリット
- 黒いスープのインパクトでSNS・口コミ効果が高い
- 比較的再現しやすく、業務用スープでも導入可能
- ご当地ブランドとしての個性が強く差別化に最適
開業のコツ（3つのポイント）
- しょっぱさ一辺倒にならず、旨味の設計で深みを演出
- ごはんと一緒に楽しめるセットメニューを展開
- “富山ブラック”のネーミングを活かしてブランド化する
富山ブラックラーメンの再現レシピ（「西町大喜」風）
スープの材料
- 水…10ℓ
- 鶏ガラ…4kg
- 背脂…200g
- ねぎ…2本
- ニンニク…1個
- 煮干し…80g
- 出汁昆布…25g
スープの作り方
- スープ①骨に湯通しして血抜きを行う。湯通しした後、しっかり水洗いを行う。
- 水に骨を入れて、蓋を開けながら2時間ほど炊き上げる。
- 煮干しと出汁昆布を加えて、さらに3時間炊く。
かえしの材料
- 濃口醤油…150mℓ
- みりん…大さじ1
- 昆布…5g
- 煮干し…5g
かえしの作り方
- すべてを混ぜ、一晩寝かせたら完成。
富山ブラックラーメンの材料
- 鶏スープ…300mℓ
- かえし…40cc
- うま味調味料…5g
- 中太ストレート麺…1玉
- 白葱…適量
- メンマ…適量
- 豚肩チャーシュー…適量
※ブラックさは、かえしの量を多くすれば黒くなる。
富山ブラックラーメンの作り方
- 温めた丼に、うま味調味料、かえし、鶏スープを入れる。
- 麺を麺線を整えながら入れる。
- トッピングを盛り付けたら完成。
業務用スープを使った簡単バージョン
「本格的に炊くのは無理」という方には、業務用スープの活用もおすすめです。
クックピットでは、家系再現にぴったりの豚骨醤油スープやカエシも取り揃えています。
簡単レシピの材料
- 鶏清湯スープ（TC4）…150㏄
- 野菜出汁…150㏄
- 小樽黒醤油…40㏄
- MZラード…10㏄
- サッポロ麺＃18…1玉
- 豚肩ロースチャーシュー…適量
簡単レシピの作り方
- 鍋に鶏清湯スープ（TC4）、野菜出汁を入れ中火で火にかける。
- 別の鍋に水を入れ、沸騰させサッポロ麺＃18を入れゆでる。ゆであがったサッポロ麺＃18は湯を切る。
- 温めていた器に小樽黒醤油、MZラード、スープ、麺を入れる
- 豚肩ロースチャーシューをトッピングして完成！！
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富山ブラックラーメンの有名ラーメン店
富山ブラックラーメンの有名ラーメン店を5店舗ご紹介します。
1位 西町 大喜（にしちょう たいき）【富山市】
富山ブラックの元祖にして聖地。
1947年創業、肉体労働者の塩分補給のために誕生した超濃口スープのルーツ店。
スープは圧倒的にしょっぱく、ごはんと一緒に食べるスタイルが前提。観光客も多く訪れる名店。
西町 大喜（にしちょう たいき）西町本店（富山市）は、富山ブラックラーメンの元祖として知られる老舗名店です。1947年（昭和22年）創業、戦後の労働者向けに高塩分のラーメンを提供したことから、今のスタイルが生まれました。ディープな塩味の魅力がクセになる一杯で、富山を訪れた際にはぜひ味わいたい、本場富山ブラックの原点です
メニュー
・中華そば（並） 800円
・中華そば（大） 1,130円
・中華そば（特大） 1,020
店舗情報
- 店名：西町大喜 西町本店（にしちょうたいき）
- 住所：富山県富山市太田口通り1-1-7
- 営業：11:00～20:00
- 定休：水曜日（祝日の場合は翌日）
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。
2位 麺家いろは【射水市・全国展開】
「東京ラーメンショー」で何度も優勝した、富山ブラックの進化系。
魚介と鶏のWスープに黒醤油を合わせた、マイルドで現代的な一杯は、初心者にも食べやすい。
全国にFC展開もしており、県外で最も知られている富山ブラックの顔。
麺家いろは（めんや いろは）は、富山県射水市に本店を構える、富山ブラックラーメンを代表する人気ブランドです。2009〜2012年、2014年の「東京ラーメンショー」で売上第1位を5回も獲得し、全国的な知名度を得ました。スープは動物系・野菜・和風出汁をバランスよく配合し、秘伝の黒醤油で仕上げたコク深い味わい。黒胡椒がアクセントとして効いており、見た目以上にマイルドで食べやすいのが特徴です。
メニュー
・富山ブラックらーめん 770円
・完熟味噌らーめん 770円
・白えび塩らーめん 770円
店舗情報
- 店名：麺家いろは 射水本店
- 住所：富山県射水市戸破1555-1
- 営業：11:00～20:00 （土、日曜日及び祝日）10:00～20:00
- 定休：年中無休
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。
3位 らーめん 誠や【富山市】
西町大喜の系譜を継ぎつつ、現代の味覚に合わせたバランス型ブラック。
濃い醤油ダレに適度な魚介出汁を重ね、塩辛すぎないがキレのあるスープが特徴。
「本物のブラックを知りたいけど食べやすさもほしい」人に最適。
らーめん 誠や（まことや／富山県高岡市）は、地元・高岡で愛される 富山ブラックラーメンの人気店で、特徴ある濃厚な醤油スープと極太ちぢれ麺が魅力です。、真っ黒なスープでありながら 塩辛さ控えめ、出汁の旨味とコクが感じられる仕上がりが支持されています。濃厚系ブラックラーメンの枠を超えた味わいと幅広いメニュー展開で、地元はもちろん遠方からのラーメンファンにも人気の実力店です。
メニュー
・醤油らーめん 1,050円
・しおらーめん 1,050円
・チャーシューメン 1,400円
店舗情報
- 店名：らーめん 誠や
- 住所：富山県高岡市宝町１１−５
- 営業：11:00～14:00 17:30～21:30
- 定休：月曜日
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。
4位 中華そば つぼみ【高岡市】
地元で根強いファンを持つ人気店。
チャーシュー・メンマ・スープすべてが濃い味で構成され、ご飯との相性が抜群。
富山ブラックらしさをしっかり味わいたい人におすすめ。
中華そば つぼみ（富山市新庄北町）は、富山を代表する“ミシュラン・ビブグルマン掲載店”として名高い人気ラーメン店です。元々丸の内で営業していた店舗が、2022年3月に新庄北町へ移転し、行列の絶えない名店としてその名を馳せています。シンプルながら素材と技術の深さが光る、中華そば通も唸る“富山の究極ラーメン”です。
メニュー
・鮮魚そば 1,030円
・鶏白湯そば 1,100円
・鮮魚白湯そば 1,200円
店舗情報
- 店名：中華そば つぼみ
- 住所：富山県富山市新庄北町18-24
- 営業：11:30 - 14:30 18:30 - 21:00
- 定休：火曜日
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。
5位 らーめん楓（かえで）【富山市】
富山ブラックをベースに、ニンニクや香味油でアレンジを効かせたパンチのあるスタイル。
若い世代からの人気が高く、ガッツリ食べたい人に好まれる。トッピングのカスタムも豊富。
らーめん 楓（かえで）（富山市婦中町）は、行列ができる地元の人気店で、特に「とんしおらーめん」が看板メニューとして愛されています。1947年創業の老舗ではありませんが、濃厚ながらも後味が重くない、優しい豚骨スープが特徴です。味の強さや脂量、麺の硬さもオーダー可。品揃えは「とんしお」をはじめ、しょうゆ、みそラーメンも提供。地域密着型ながら完成度の高い一杯を提供する名店です。
メニュー
・らーめん 1,250円
・ちゃーしゅーめん 1,550円
・ミックスちゃーしゅーめん 1,550円
店舗情報
- 店名：らーめん楓
- 住所：富山県富山市婦中町西本郷626
- 営業：11:30 - 15:00 （土日祝）11:30 - 15:30
- 定休：火曜日 第3水曜日
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。
富山ブラックラーメンQ＆A
Q1. 富山ブラックラーメンはなぜこんなにスープが黒いの？
A.富山ブラックラーメンの黒いスープは、濃口醤油をたっぷり使用していることが理由です。
これはもともと、肉体労働者の塩分補給を目的に設計されたことに由来し、ご飯と一緒に食べる「おかずラーメン」として作られました。
Q2. 富山ブラックラーメンはしょっぱすぎないの？
A.確かに“しょっぱい”という印象を持つ人は多いですが、出汁の旨味・香味油・バランス設計次第で「しょっぱ旨い」魅力に変わります。
最近はマイルドにアレンジされた店舗も多く、初心者でも安心して楽しめます。
Q3. 飲食店で富山ブラックを再現するにはどうすればいい？
A.業務用スープを活用すれば、醤油濃度・出汁の配合・香味油のバランスが設計された状態で導入可能です。
クックピットでは、富山ブラック用に特化した醤油スープ・専用麺・タレを無料サンプル提供中。
即日再現を目指すなら、まずはサンプルから始めましょう。
まとめ
富山ブラックラーメンは、インパクト抜群の黒いスープと、しょっぱ旨い味わいで全国のラーメンファンを魅了してきたご当地ラーメンです。
見た目に反して、しっかりと出汁の旨味が効いており、ただ濃いだけではない奥深い味のバランスがその人気の理由。
中太ストレート麺との組み合わせや、ごはんと一緒に楽しむスタイルも、他のラーメンにはない個性を放っています。
開業視点では、“富山ブラック”というご当地ブランドを活かした差別化戦略が可能です。
素材や構成がシンプルなため、業務用スープや専用麺を使えば、味を崩さず効率よく導入できるのもポイントです。
他店にはないユニークなラーメンを提供したい、SNS映えや話題性で集客したい、そんな方にとって富山ブラックは非常に魅力的な選択肢。
今後、さらに注目が集まることが予想されるジャンルだけに、早めの導入がブランド化の鍵となるでしょう。
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