徳島ラーメンとは？特徴・有名店・作り方を初心者にもわかりやすく解説
minezaki
徳島ラーメン完全ガイド｜特徴・歴史・作り方・人気店徹底解説
はじめに
徳島ラーメン——それは四国・徳島県で独自に進化を遂げた、**“ごはんと一緒に食べるラーメン”**という新たな価値観を提案する、ご当地ラーメンの異端児です。
醤油ダレの効いた豚骨ベースの濃厚スープ、トロトロのバラ肉、そして生卵。ラーメン単体で完結せず、白ごはんをかきこむことで完成するスタイルは、他地域ではなかなか見られない唯一無二の特徴です。
徳島ラーメンには「茶系」「黄系」「白系」と呼ばれる3つのスタイルがあり、特に有名なのが“茶系”とされる豚骨醤油の甘辛ラーメン。
スープはとろみがあり、醤油のコクと豚の旨味がガツンとくる。上には煮込まれたバラ肉がのり、さらに生卵をトッピングすることで、すき焼きのような感覚でラーメンを楽しむことができます。
全国区になったきっかけは、2000年代初頭に開催された「新横浜ラーメン博物館」への出店やラーメンイベントへの参加。
徳島県内で愛されていたこのローカルフードが、イベントをきっかけに**「ライス必須系ラーメン」として全国のラーメン通に衝撃を与えた**のです。
本記事では、そんな徳島ラーメンの起源やスタイルの違い、スープや麺、トッピングの構成から、開業のポイントやレシピ、有名店の紹介、業務用スープでの再現方法まで徹底解説。
“白ごはんと一緒に成立するラーメン”という新感覚を求める方、必見です。
目次
徳島ラーメンの歴史
徳島ラーメンの起源は、戦後まもない昭和20〜30年代、徳島市内の屋台や食堂で提供されていた「中華そば」にあります。
当初は醤油ベースのあっさり系でしたが、豚骨や濃口醤油を使った“甘辛系”スープが主流となり、独自の進化を遂げます。
特に注目されたのは、濃厚なスープに煮込んだバラ肉、生卵をのせた“すき焼き風”スタイル。
2000年代に入り、ラーメン博物館やイベント出店を通じて全国に知られるようになり、今では「ごはんと一緒に食べるラーメン」として、唯一無二の地位を築いています。
3つの歴史的ポイント
- 戦後の屋台文化がルーツ：中華そばから豚骨醤油ラーメンへ進化
- 甘辛バラ肉＋生卵の“すき焼き風”スタイルが定着
- 2000年代に全国進出：「ラーメン博物館」などで一躍注目を集める
徳島ラーメンとは？
徳島ラーメンの最大の特徴は、濃厚な豚骨醤油スープに甘辛く煮た豚バラ肉、生卵をトッピングする“すき焼き風”のスタイルにあります。
味は甘みとコクが強く、まるで白ごはんとセットで楽しむことを前提に設計されたような中毒性の高い一杯。
麺は細めのストレート、トッピングは極力シンプルで、スープの濃さと具材の甘辛さを引き立てる構成になっています。
さらに、地域によって「茶系（豚骨醤油）」「黄系（鶏ガラ醤油）」「白系（豚骨白湯）」とスタイルが分かれており、一県内で多様な表情を持つのも魅力です。
3つの特徴ポイント
- 甘辛バラ肉＋生卵が定番：すき焼き風の食べごたえあるラーメン
- “白ごはん必須”の味付け：ライスと一緒に成立する中毒性の高さ
- 3系統に分類される：「茶系」「黄系」「白系」で味のバリエーションが豊富
徳島ラーメンに合う食材
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徳島ラーメンのスープの秘密
徳島ラーメンのスープは、豚骨ベースに濃口醤油を合わせた“甘辛系”豚骨醤油が主流です。
とくに「茶系」と呼ばれるタイプは、豚骨を強火で炊いて濃厚に仕上げ、そこへ砂糖やみりんを効かせた甘みのある醤油ダレを加えることで、すき焼きのような味わいに。
一方、「黄系」は鶏ガラがベースで比較的あっさり、「白系」は白濁した豚骨スープが中心でクリーミーな口当たりが特徴です。
いずれも白ごはんとの相性を意識した設計で、単体でもパンチがありながら、重くなりすぎない絶妙なバランスが魅力です。
徳島スープのポイント
- 豚骨＋濃口醤油＋砂糖の“甘辛系”が定番
- 茶系・黄系・白系でスープのベースや濃度が異なる
- ごはんと一緒に食べることを前提とした旨味設計
徳島ラーメンの麺の特徴
徳島ラーメンの麺は、低加水のストレート細麺が主流です。スープの甘辛さと濃厚な味わいをしっかり受け止めるために、麺自体の主張は控えめに設計されているのが特徴。
茹で加減はやや柔らかめで、スープとの一体感を重視。つるっとした喉越しよりも、スープをしっかり吸わせる“なじみ”を意識した仕上がりです。
また、ライスと一緒に食べる前提の構成のため、麺の量はやや少なめに設計されている店も多く、「麺＋ごはん」の一体感が徳島ラーメンの真骨頂とも言えます。
麺のポイント
- ストレート細麺が基本：濃厚スープとの絡みに優れた低加水麺
- やや柔らかめの茹で加減：スープとなじむことを重視した設計
- “ごはんありき”の麺量設定：ライス前提のため1玉がやや少なめの店舗も
徳島ラーメンのトッピング特徴
徳島ラーメンのトッピングといえば、なんといっても甘辛く煮込んだ豚バラ肉と生卵の組み合わせ。
この“すき焼き風”のスタイルは全国でも珍しく、ラーメンを超えたごはんのおかずとしても成立する、唯一無二の魅力を放っています。
生卵はトッピングで追加するスタイルが多く、スープの熱で半熟になることでまろやかさが加わります。
その他はネギ、もやし、メンマなどシンプルな具材が添えられ、バラ肉と卵を中心に据えたインパクトのある丼顔が特徴的です。
トッピングのポイント
- 甘辛バラ肉が主役：すき焼き風の味を支える肉の存在感
- 生卵トッピングが定番：まろやかさとビジュアルを演出
- その他はミニマル構成：ネギ・もやしなど、脇役に徹するトッピング
徳島ラーメンで開業のポイント
徳島ラーメンは、他のラーメンと明確に差別化できる“甘辛豚骨＋バラ肉＋生卵”という構成で、インパクトある一杯を提供できるのが最大の強みです。
すき焼き風の味わいとライス前提の設計は、ガッツリ系の需要や男性客、学生層にも刺さりやすく、既存ラーメン業態との差別化にも適しています。
また、スープ・タレ・肉・卵と構成が明快なので、業務用スープを活用すれば再現性と回転効率が高いのもポイント。郊外型や定食スタイル店舗とも相性抜群です。
開業のメリット
- 白ごはんと一体で提供できるラーメン＝定食業態にも展開可
- “すき焼き風”の分かりやすい特徴で差別化しやすい
- 業務用スープや甘辛肉を使えばオペレーションが簡潔
開業のコツ（3つのポイント）
- バラ肉は“甘辛×とろみ”を重視し、煮込みすぎない仕込みがカギ
- 麺量とライスのバランス設計が客単価・満足度に直結
- 看板やメニュー名に“すき焼き風ラーメン”と明記すると伝わりやすい
徳島ラーメンの再現レシピ（「中華そば いのたに」風）
スープの材料
- 水…10ℓ
- げんこつ…3kg
- 豚足…500g
- 鶏ガラ…1kg
- 鶏首…500g
- もみじ…500g
- 背脂…1kg
スープの作り方
- 骨に湯通しして血抜きを行う。湯通しした後、しっかり水洗いを行う。
- 水に骨を入れて、強火で炊き、蓋をして7時間ほど炊き上げたら完成。
かえしの材料
- 醤油…200mℓ
- 本みりん…30mℓ
- 日本酒…30mℓ
- 砂糖…5g
かえしの作り方
- すべてを混ぜる。
- 火を入れてアルコールを飛ばして完成。
和歌山ラーメンの材料
- 鶏豚スープ…300mℓ
- かえし…35cc
- ラード…20g
- うま味調味料…7g
- ストレート麺#22…1玉
- 葱…適量
- メンマ…適量
- もやし…適量
- 生卵…1個
- 豚バラスライス…適量
和歌山ラーメンの作り方
- 温めた丼に、うま味調味料、かえし、ラード、豚骨スープを入れる。
- 麺を麺線を整えながら入れる。
- トッピングを盛り付けたら完成。
業務用スープを使った簡単バージョン
「本格的に炊くのは無理」という方には、業務用スープの活用もおすすめです。
クックピットでは、家系再現にぴったりの豚骨醤油スープやカエシも取り揃えています。
簡単レシピの材料
- 豚骨白湯スープ（B8）…200㏄
- 野菜だし…100㏄
- TB醤油…25㏄
- 砂糖…5ｇ
- MZラード…10㏄
- ゆめのちから＃20…1玉
- 豚バラ（ネット無）…適量
簡単レシピの作り方
- 鍋に豚骨白湯スープ（B8）、野菜だしを入れ中火で火にかける。
- 別の鍋に水を入れ、沸騰させゆめのちから＃20を入れゆでる。ゆであがったゆめのちから＃20は湯を切る。
- 温めていた器にTB醤油、MZラード、スープ、麺を入れる
- 豚バラ（ネット無）をトッピングして完成！！
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徳島ラーメンの有名ラーメン店
徳島ラーメンは、県内だけでなく全国のラーメンイベントや博物館への出店を通じて、一躍“ご当地ラーメンの注目株”として広まりました。
ここでは、徳島ラーメンを語るうえで外せない、代表的な名店5選をご紹介します。
1位 中華そば いのたに（徳島市）
徳島ラーメンの代名詞的存在で、“茶系”豚骨醤油の元祖とされる名店。
とろみのある濃いめのスープに、甘辛バラ肉、生卵、ストレート細麺の王道スタイル。
元・首相の小泉純一郎氏も訪れたことで一躍有名に。徳島ラーメンを知るならまずここから。
中華そば いのたに 本店（徳島市）は、50年以上続く徳島ラーメンの代表格にして「茶系徳島ラーメン」の元祖とされる名店です。麺は極細のストレート自家製麺で、スープとの絡みが良く、歯切れよい食感。見た目ほどしつこくなく、濃厚ながらも後味は意外にさっぱりです。地元民や全国のラーメン愛好家からも熱烈な支持を受け、徳島ラーメンの原点を味わえる逸品として、多くのリピーターが訪れる名店です。
メニュー
・肉入り大盛り中華そば 900円
・中華そば大盛り 750円
・中華そば 700円
店舗情報
- 店名：いのたに 本店
- 住所：徳島県徳島市西大工町4-25
- 営業：10:30 - 17:00
- 定休：月曜日
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。
2位 中華そば 東大（徳島市／全国展開あり）
「ラーメンの上に生卵、そして白ごはん」——この徳島スタイルを全国に広めた立役者。
本店は徳島市だが、東京・大阪・福岡などにも展開し、徳島ラーメンを全国に広めた功労店といえる。
濃厚でパンチのあるスープと、卓上卵サービスが話題に。
中華そば 東大（とうだい） は、徳島ラーメン界を代表する実力店で、「徳島ラーメンの王道」と称される茶系スタイルを提供しています。濃厚ながら滑らかでクセになる味わいと、卵＋ご飯との組み合わせによる満足度の高い一杯は、徳島ラーメンを初めて食べる人にもぜひおすすめの名店です。
メニュー
・東大ラーメン 750円
・東大ラーメンこってり 850円
・東大ラーメン豚スラ肉増し 950円
店肉マシ
- 店名：ラーメン東大 大道本店（本場徳島の味）
- 住所：徳島県徳島市大道1-36
- 営業：11:00 - 04:00
- 定休：年中無休
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。
3位 麺王（徳島市／全国展開あり）
徳島市発祥の人気チェーンで、若者や観光客にも支持されるモダンな徳島ラーメン。
“いのたに”系の味を踏襲しつつ、よりマイルドで食べやすい設計が特徴。
トッピングのバリエーションも多く、初心者にもおすすめ。
中華そば 麺王（めんおう） は、徳島県発祥の「茶系徳島ラーメン」専門チェーンで、徳島市を中心に関西・四国・中国地方へも展開。2025年現在、国内に16店舗以上が運営され、海外出店も進んでいます。看板メニュー「徳島ラーメン」は、豚骨醤油ベースに甘辛く煮込んだ豚バラ肉をのせた“すき焼き風”が特徴。スープは濃厚ながら後味マイルドで、生卵との相性も抜群です。中細ストレート麺の硬さや替え玉（4種類から）を選べるカスタマイズ性も魅力。
メニュー
・徳島ラーメン 750円
・麺王スペシャル 1,100円
・チャーシュー麺 850円
店舗情報
- 店名：麺王 徳島駅前本店（めんおう）
- 住所：徳島県徳島市寺島本町東3-6 旭ビル1Ｆ
- 営業：11:00 - 00:00
- 定休：
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。
4位 可成家（徳島市）
徳島市の郊外にある地元密着型の実力派。茶系の濃厚豚骨醤油に、丁寧に炊かれた甘辛バラ肉が絶品。
派手さはないが、リピーターの多さが味の信頼度を物語る。昔ながらの徳島ラーメンを楽しみたいなら外せない一店。
中華そば 可成家（カナリヤ／KANARIYA）本店（徳島市）は、1999年創業のスタイリッシュな「徳島ラーメン」専門店。スープは豚骨・鶏ガラを丁寧に下処理し3度裏ごしした“ポタージュ状”で、まろやかでクリーミーな口当たり。醤油ダレの違いで「白」（淡麗すっきり）、「黒」（甘辛くコクある）、「香り」（魚介系を加えたコラボ）という3タイプを選べるのが特長です。
メニュー
・白ラーメン 780円
・黒ラーメン大盛 780円
・香りラーメン 780円
店舗情報
- 店名：可成家 本店（カナリヤ）
- 住所：徳島県徳島市南庄町1丁目27 エクラドゥース１階(旧成田マンション)
- 営業：11:00 - 20:00
- 定休：水曜日 第1・3火曜日
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。
5位 王王軒（鳴門市）
“白系”スープで知られる異色の存在。豚骨の白濁スープに軽やかなタレを合わせた、徳島ラーメンの中でも独自性が強い名店。
スープのクリーミーさと丁寧な仕込みで、幅広い客層に支持されている。
中華そば 王王軒（わんわんけん）本店（徳島県鳴門市・藍住町）は、1998年創業以来、徳島ラーメンの“こってり派代表”として地元とラーメン通から絶大な支持を誇る名店です。デフォルトで載るのは甘辛く煮込まれた豚バラ肉。ライスとの相性の良さは“ご飯泥棒”と称されるほどで、〆の白飯と合わせた食べ方が地元では定番です。
メニュー
・志那そば 750円
・肉入り志那そば 850円
・生卵入り志那そば 960円
店舗情報
- 店名：支那そば 王王軒 本店（しなそば わんわんけん）
- 住所：徳島県板野郡藍住町徳命字牛ノ瀬446-15
- 営業：11:00 - 20:00
- 定休：木曜日
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。
徳島ラーメンQ＆A
Q1. 徳島ラーメンはなぜ“すき焼き風”と呼ばれるの？
A. 徳島ラーメンでは、甘辛く煮込んだ豚バラ肉と生卵をトッピングするスタイルが定番です。
これは、すき焼きの“割り下＋卵”に似た味わいで、「ラーメンなのにご飯のおかずになる」と言われる所以。
白ごはんと一緒に食べることが前提になっていることから、“すき焼き風ラーメン”と表現されることが多くなりました。
Q2. 茶系・黄系・白系の違いは何？
A.
- 茶系：豚骨醤油ベースで甘辛く濃厚。徳島ラーメンの主流派。
- 黄系：鶏ガラベースのあっさり醤油。すっきりとした後味が特徴。
- 白系：白濁豚骨ベースで、まろやかでクリーミーな味わい。
味の濃さやコク、香りの方向性が異なり、徳島県内だけでも多様なスタイルを楽しめます。
Q3. 徳島ラーメンで開業するのは難しい？
A. 再現性が高く、オペレーションも比較的シンプルなため、業務用スープやバラ肉を活用すれば初めてでも十分可能です。
さらに、甘辛＋卵＋ライスというコンセプトの分かりやすさは、競合との差別化にも有効で、定食型店舗やテイクアウト展開にも向いています。
まとめ
徳島ラーメンは、豚骨醤油ベースの濃厚スープに甘辛く煮た豚バラ肉、生卵を合わせた“すき焼き風”ラーメンとして、他のご当地ラーメンにはない独自の存在感を放っています。
白ごはんとセットで食べることを前提とした味づくりは、中毒性が高く、老若男女問わず幅広い層に支持される魅力を持っています。
また、茶系・黄系・白系という分類により、徳島県内だけでも多彩なバリエーションが楽しめるのも特徴。
見た目や構成はシンプルながら、深い旨味と地域性を兼ね備えた完成度の高いラーメンです。
開業においても、甘辛豚バラや生卵など差別化しやすいアイコンが揃っているため、飲食業未経験者でも導入しやすく、定食業態・ごはん付きラーメンなど、多彩な展開が可能です。
「ごはんと食べるラーメン」という新しい選択肢。
それが徳島ラーメンの真髄であり、今後ますます注目されるジャンルとなるでしょう。
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