「はまぐり寿焼き」レシピ〜おせち料理の作り方(松本忠子レシピ)〜

年初めのおせち料理は、一年に一度の出会いの味。新しい年がより歳になるようにと心を込めて作ればこそ、家族はもとより、歳神様にも喜んでもらえるのだと思います。床飾りの掛け軸の富士山、おせちを収める蒔絵の重箱など、晴れの道具で新年を飾りつける。そんなめでたい日にこそ作りたいおせち料理のレシピを、松本忠子先生のレシピとして掲載していきます。


二の重には、すすめ肴を詰めます。おせちは作りおいて何日かはいただくものですから、いずれも冷めても味がぼけてしまわず、しかも日もちのいいことが条件となります。そのためによくよく火を通しておくことが大切です。
料理の名も、おめでたいお正月にちなんで、ゆり根の宝萊揚げなどとつけることにより、何やら新年から宝が舞い込んでくるようなうれしい気持ちになるのですから不思議です。
はまぐりの寿焼きは、古くから祝儀の宴席に欠かせない縁起物とされていて、金箔を少々はることによってさらに華やいだものになります。また、おせちを詰め合わせる料理の数は、奇数がおめでたいとされてはいますが、お重詰めにしたとき収まりがいいのが何よりと心得、宝萊揚げの上にのせた木の芽で計五種類としたしだいです。

※画像はイメージです

材料 

  • はまぐり(中)…8個
  • 卵のもと(卵黄1個分、サラダ油1/2カップ)…大さじ2
  • 白身魚のすり身…100グラム
  • ゆり根…1個
  • ぎんなん…15個
  • 三つ葉…適宜
  • 片栗粉、金箔…各少々

作り方 

①はまぐりは、きれいに洗って鍋に入れ、ふたをして火にかけて少しおく。貝の口が開きかけたら火を止め、身を汁とともにボールに取り出し、身は三つくらいに切り分ける。

②かき立てた卵黄に、サラダ油を少しずつたらし入れながらよく混ぜ合わせて卵のもとを作っておく。
③魚のすり身はボールに入れ、卵のもとを加えてよくすり合わせる。
④ゆり根は水で洗い、外側から1枚ずつはずして、大きなものは三つくらいに切る。ぎんなんはゆでて薄皮をむき、薄切りにする。三つ葉は1センチ長さに切る。
⑤③に、とっておいたはまぐりの汁を少しずつ入れてすり合わせ、なめらかになったらはまぐりの身、ゆり根、ぎんなん、三つ葉を加えてさっくりと混ぜる。
⑥①の貝殻は、2枚にはずして中をよく洗い、水気を軽くふき、片栗粉を茶こしに入れて、貝殻の内側に薄くふる。
⑦⑥に、⑤をこんもりと盛りつけ、160度Cに温めておいたオーブンで10~15分間うっすらと色づくまで焼く。少し冷まし金箔をのせる。

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注意事項

※著者「松本忠子」の『おせちと年末年始のおもてなし』より記載したレシピになります。
※著作権者本人様より掲載の許可をいただいております。

参考文献

■作品名:『おせちと年末年始のおもてなし』
■著者:松本忠子
■出版社:文化出版社