「かに茶巾蒸し」レシピ〜おせち料理の作り方(松本忠子レシピ)〜
年初めのおせち料理は、一年に一度の出会いの味。新しい年がより歳になるようにと心を込めて作ればこそ、家族はもとより、歳神様にも喜んでもらえるのだと思います。床飾りの掛け軸の富士山、おせちを収める蒔絵の重箱など、晴れの道具で新年を飾りつける。そんなめでたい日にこそ作りたいおせち料理のレシピを、松本忠子先生のレシピとして掲載していきます。
おせちを盛り込む重箱は、四段重ねのものが多く見られます。漢数字の四を与の字に代えて読ませることも一般的になっているようです。
お餅をいただくことの多いお正月なので、与の重には食をすすめ、口直しも兼ねることができる酢の物を中心に詰めています。焼き物も欠かすことのできない一品で、ここではまながつおの西京漬けを入れてありますが、たれに漬け込んだものも味がよいものです。ただ魚はあまり長く漬け込むと繊維がかたくなり身が縮こまりすぎてしまいますからご注意ください。焼くときも焦げやすいので、中火の遠火で焼き上げます。
中に詰めるごちそうは、紅白なますと焼き魚は私のおせちでは定番ですが、他の料理は年ごとに変えることもあり、自由に楽しめるのが与の重です。
材料 (24個分)
- 薄焼き卵…6枚(卵4個、塩少々)
- 卵のもと(かにシュウマイ参照)…大さじ4
- 白身魚のすり身(冷凍)…250グラム
- かに缶(小)…1缶
- 生しいたけ…3枚
- かに缶の汁…大さじ1
- 塩…小さじ¼
- 酒…大さじ1
- 片栗粉…適宜
作り方
①卵をときほぐして塩を混ぜ、卵焼き器で18センチ四方ぐらいの四角い薄焼き卵を6枚焼いて四等分しておく。
②卵のもとと、解凍した白身魚のすり身を合わせ、かに缶の汁、塩、酒をよく混ぜる。
③かに肉を缶から出し、色のきれいな部分は飾り用に少しとりおき、残りは②に加えてよく混ぜる。
④生しいたけは、粗みじんに切って③に加え、さっくり混ぜ合わせる。
⑤①の薄焼き卵の内側に片栗粉少々を薄くふり、④を24等分してのせ、四方から卵を寄せて包む。
⑥飾り用に残しておいたかにの身も24等分して、下側に片栗粉をつけながら⑤の上にのせる。
⑦蒸気の上がった蒸し器に入れ、中火弱の火加減で18分蒸し上げる。
●白身魚のすり身には塩分の強いものがあるので、塩加減は味をみて調節する。
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注意事項
※著者「松本忠子」の『おせちと年末年始のおもてなし』より記載したレシピになります。
※著作権者本人様より掲載の許可をいただいております。
参考文献
■作品名:『おせちと年末年始のおもてなし』
■著者:松本忠子
■出版社:文化出版社