【ラーメン基礎知識04】「スープ」とは
スープとは
ラーメンの鬼と呼ばれた「支那そばや」の佐野実さんの言葉を借りると「麺は男、スープは女」である。
スープは、ある食材を煮出した時に出る水分量の多い液体を指す。
ラーメンにおけるスープはこのスープに、タレと言われ醤油や塩や味噌をベースにした液体調味料で味を整えて完成する。
スープにい使われる食材は少なければストレートにその味が感じられるし、副材料も多ければ複雑な旨さを醸し出す。決まり事はなく、水と鶏の原料でスープを作る人もいれば、10〜15種の副材料を入れる人、さらには20種以上も入れることが秘訣という人もいる。
いずれにせよ、スープは水と食材の養分から作られており、その中にはミネラル、タンパク質、アミノ酸、脂肪、ビタミンや糖質などが溶けおんだ滋味溢れるものである。
鰹節、煮干し、出汁昆布、また、干し椎茸を使った精進出汁などもあったが、明治時代の肉食解禁とともに、肉や骨をメインにスープを作るようになり、今日のラーメンらしい味付けが始まった。
日本は南北に長い島国であり、四季も大きく変わる。北海道、本州(東北・関東・中部・近畿・中国)、四国、九州、沖縄と地域に追える食文化や思考の違いがあり、多様なスープの味付けを生み出している。タレ(かえし)や具材も同様である。
各地方で麺料理は好まれ、しかし味付けの違いが画一的ではないラーメンという食べ物を構成されていったと言える。
スープの分類
ラーメンの麺に合わせるスープは多種多様である。
スープベースも鶏、豚など多様であり、味付けのタイプも醤油、塩、味噌など多岐に渡るので、その組み合わせは無限大とも言える。さらに、熱いスープ、冷たいスープ、スープなしなどもある。味の濃い・薄い・重い・軽いもある。
どれもがラーメンになりうる。食材によって抽出された出汁を塩分があるタレ(かえし)でラーメンの味付けをしたものがスープである。
ラーメンスープは基本的に下記13項目に分類分けすることができる。
この章では、それぞれのスープの作り方から、特徴までを解析していくこととする。
ラーメンスープの分類
- 鶏ガラスープ
- 豚骨(とんこつ)スープ
- 牛骨スープ、その他動物系スープ
- 乾物系スープ
- 魚介系スープ(海老・蟹・鮮魚)
- 貝系スープ(貝・海藻)
- 野菜スープ(野菜・果物系)
- スパイススープ(味噌・スパイス・ハーブ系)
- キノコスープ(キノコ・ナッツ系)
- その他の食材スープ
- つけ麺のスープ
- 冷やしラーメンのスープ
- まぜそばのスープ
1、「鶏ガラスープ」の作り方【ラーメンスープ】
鶏類で作ったスープである。ラーメンの定番であり、鶏の滋養が溶け込んでいる。世界中で古くから食べられており、広く発展しているスープの一つとも言える。
一般的には、うまみ成分である、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸と全て含まれいる旨みたっぷりなスープである。
使用する部位は、丸鶏(老鶏、若鶏)、鶏ガラ、もみじ(鶏の脚先)、鶏頭、鶏首、鶏冠(トサカ)、手羽先、鶏皮などがある。
それぞれの部位を使った鶏スープの詳細な作り方は、下記リンクよりご確認ください↓↓
鶏ガラスープの基本的な作り方
ラーメンスープの基本となる「鶏ガラスープ」は、下記A〜Dの食材を使い、①〜③の工程を行うことで基本的なスープ作りを行えます。
【4つの基本的な手法】
A:鶏の骨から作る。
B:丸鶏から作る。
C:出汁になる食材や出汁を添付する。
D:他のスープベースになる食材、野菜やハーブ、スパイスなどを添加する。
【3つの基本的な工程】
①:火加減を弱火〜中火で透明な鶏ガラスープ【清湯(チンタン)スープ】を作る。
②:火加減を強火医して白濁スープ【白湯(パイタン)スープ】を作る。
③:その他。
\お店で炊くのと同じ工程の天然スープを仕入れよう!/
2、「豚骨(とんこつ)スープ」の作り方【ラーメンスープ】
豚から作ったスープである。鶏スープよりも濃厚な味わいのスープが作れるのが特徴である。
一般にスープを作る上で豚骨を使うが、コラーゲンが多く、美肌効果や関節痛を和らげる効果もある。
力強いコクがあるが、その分、独特の臭みがあるため、丁寧な下処理をしたり臭み消しの食材を使って対応することは必要不可欠と言える。
使用する部位は、ゲンコツ(大腿骨)、背ガラ(背骨)、豚頭、豚足、背脂などである。
それぞれの部位を使った豚骨スープの詳細な作り方は、下記リンクよりご確認ください↓↓
とんこつスープの基本的な作り方
ラーメンスープの基本となる「とんこつスープ」は、下記A〜Dの食材を使い、①〜③の工程を行うことで基本的なスープ作りを行えます。
A:豚骨を炊いて作る。
B:豚肉を焼いて作る。
C:A+Bに出しになる食材や出汁を添加する。
D:他のスープベースになる食材、野菜やハーブ、スパイスなどを添加する。
①:火加減を弱火〜中火で透明スープ【清湯(チンタン)スープ】を作る。
②:火加減を強火にして白濁スープ【白湯(パイタン)スープ】を作る。
③:その他。
\お店で炊くのと同じ工程の天然スープを仕入れよう!/
3、「牛骨スープ、その他動物系スープ」の作り方【ラーメンスープ】
牛や羊、鶏以外の動物から作るラーメンスープである。
牛から作るスープは、大腿骨やテールの部分を使うことが多く、さっぱりした口当たりとコクと風味の良いものである。
羊から作るスープは、肉からも骨からも香り豊かなスープが作れる。
特に羊は、二いく類中心に食文化が発達した中国では好まれてきた歴史がある。麺類発祥とも言われる中央アジアの遊牧民たちも羊を好んでいたことからも、ラーメンの歴史に想いを馳せることができるだろう。
いずれにせよ、肉であれ骨であれ、あらゆる動物は煮込むことで何でもスープにすることができる。
それを美味しいものにするかは、調理の腕次第である。調理方法の意味、食材の扱いを考え、レシピに振り回されずに、現実・現場・現物の中で作り上げてもらいたい。
それぞれの部位・動物系の原料を使ったラーメンスープの詳細な作り方は、下記リンクよりご確認ください↓↓
その他動物系スープの基本的な作り方
ラーメンスープの基本となる「牛骨スープ系」は、下記A〜Dの食材を使い、①〜③の工程を行うことで基本的なスープ作りを行えます。
A:骨を炊いて作る。
B:肉を炊いて作る。
C:AやBに出汁になる食材を添加する。
D:他のスープベースになる食材、野菜やハーブ、スパイスなどを添加する。
①:火加減を弱火〜中火で透明スープ【清湯(チンタン)スープ】を作る。
②:火加減を強火にして白濁スープ【白湯(パイタン)スープ】を作る。
③:その他。
\お店で炊くのと同じ工程の天然スープを仕入れよう!/
4、「乾物系スープ」の作り方【ラーメンスープ】
ラーメンスープにおいて出汁は非常に重要である。天然の出汁はうま味成分だけではない素材の風味やコク、栄養素としてはミネラルやビタミンなども併せて抽出しているので、調味料にはない美味しさがある。
日本独特の乾物がある。鰹節や煮干しなどからはイノシン酸中心の動物性出汁と、出汁昆布などからのグルタミン酸と、干し椎茸などからのグアニル酸中心の植物性出汁と大別される。
乾物使ったラーメンスープの詳細な作り方は、下記リンクよりご確認ください↓↓
乾物系スープの基本の作り方
①:水と乾物を合わせて、出汁を抽出する。その後加熱することもある。出汁と商材とともにスープに使用する。
②:スープに乾物をそのまま添加する。
③:粉砕して、粉状にして使う。
\お店で炊くのと同じ工程の天然スープを仕入れよう!/
5、「魚介系スープ」(海老・蟹・鮮魚)の作り方【ラーメンスープ】
海老や蟹に甲殻類は、濃厚な味わいと香ばしいカリが多いくの人を虜にしている。鮮度が命であり、活きのままが最高だが、一般には冷凍品を扱うことが多い。身を食べて、余っていく殻を少しずつ貯めて、大量になった時点でスープにするという流れである。
鮮魚のスープは、あらゆる魚種で作ることができる。身を食べるものであるから、アラ(頭、中骨、カマ、尾の総称)を集めて仕立てるっことが基本である。鮮度の良いものを短時間でサッとスープにする方法もあれば、何かしらのスープに加えて炊き上げることもある。
いずれにせよ、食べる部位以外の残りの部分をスープに仕立てていくというラーメンの基本思想に則っている。
魚介系使ったラーメンスープの詳細な作り方は、下記リンクよりご確認ください↓↓
魚介系スープの基本の作り方
A:酒やスパイスを利用したり、焼くことで臭みを取り除いてから使用する。
B:スープの中に添加していく。
\お店で炊くのと同じ工程の天然スープを仕入れよう!/
6、「魚貝系スープ」(貝・海藻)の作り方【ラーメンスープ】
ラーメンのスープにおいて出汁は非常に重要である。天然の出汁はコハク酸によるうま味成分に加えて、素材の風味やコク、栄養素としてはミネラルやビタミンなども併せて抽出しているので、調味料にはない美味しさがある。
アサリなどの貝類に含まれるコハク酸は酸味や苦味をも含んだような味わいがあり、口の中でうま味を一点に集めるような強さがある。
コハク酸の含有量は100g当たり、シジミ152mg、アサリ111mg、牡蠣99mg、ハマグリ82mg、ホタテ8mgと言われる。
魚貝系使ったラーメンスープの詳細な作り方は、下記リンクよりご確認ください↓↓
魚貝系スープの基本の作り方
1:水と貝類を合わせて、加熱する。
\お店で炊くのと同じ工程の天然スープを仕入れよう!/
7、「野菜スープ」(野菜・果実)の作り方【ラーメンスープ】
野菜は一般的に食用の草本植物のことである。食用とする部位により、地下や地上の茎を食用とする茎葉類、葉や葉柄を食用とする葉菜類、花序や花弁を食用とする花葉類、未熟果や熟果を食用とする果菜類とに大別される。
野菜系使ったラーメンスープの詳細な作り方は、下記リンクよりご確認ください↓↓
野菜スープの基本の作り方
A:水と野菜、果実を煮込んでスープにする。
B:Aの煮込んだ後にポタージュ状にペーストする。乳製品を加えたりもする。
C:その他。
\お店で炊くのと同じ工程の天然スープを仕入れよう!/
8、「スパイス系スープ」(味噌・スパイス・ハーブ)の作り方【ラーメンスープ】
味噌は、言わずとも知れた日本古来の無発行調味料であり、ラーメンをタイプ別とした際に必ず上がってくるラーメンに代表格のひとつである。
スパイスやハーブは、なまや乾燥させたものがあり、香りを補うものや臭い消しに使うことのほうが多い。丸のまま、粉砕する、手でたたく、ふりかける、添加する、などの用途によっても使い方が分かれてくる。
スパイス系使ったラーメンスープの詳細な作り方は、下記リンクよりご確認ください↓↓
スパイス系スープの基本の作り方
A:味噌ダレ(かえし)をスープに合わせる。
B:具材の味付けに、味噌、スパイス、ハーブを用いる。
C:具材として直接、スパイス、ハーブを用いる。
D:その他。
\お店で炊くのと同じ工程の天然スープを仕入れよう!/
9、「キノコスープ」(キノコ・ナッツ)の作り方【ラーメンスープ】
キノコ類は低カロリーながら、豊富な食物繊維やビタミン、ミネラルたっぷりなヘルシーな食材である。80〜90%が水分で構成されており、キノコの味や香りはスープに抽出しやすい。単体での味わいも良いが、数種類で複合されると、何とも言えない良い風味が広がる。
一方、ナッツは、種実類と言われ、硬い皮やからに含まれている木の実の総称である。
栗などの炭水化物を多く含むものと、アーモンドやクルミなど脂質を多く拭くものとがある。食感の良さや、すり潰して濃厚なペーストとして活用することが多い。
キノコ使ったラーメンスープの詳細な作り方は、下記リンクよりご確認ください↓↓
キノコスープの基本の作り方
A:水とキノコを煮込んでスープにする。
B:キノコとナッツを具材にする。
C:その他。
\お店で炊くのと同じ工程の天然スープを仕入れよう!/
10、「その他の食材スープ」の作り方【ラーメンスープ】
自由なラーメンであり、地球食として広がりつつあるラーメンにとって未知との遭遇の連続である。
一般的な動物性の骨を使ったラーメンスープや、魚貝系、野菜系などのよく目にするもの以外に、一風変わった食材を使ったスープ作りを行う店舗もある。
ここではその食材の一部をご紹介しよう。
その他の食材使ったラーメンスープの詳細な作り方は、下記リンクよりご確認ください↓↓
その他の食材(一例)
- チョコレート
- スナック菓子
- 白い醤油
- 酒粕
- 明太子
- コオロギ
- ビール
- スパークリングワイン
- 焦がし醤油
- 卵とじ
- ほうじ茶
- 豆乳
11、「つけ麺スープ」の作り方【ラーメンスープ】
つけ麺は、麺とスープが’別々に提供されて、麺をスープにつけて食べるスタイルである。
ラーメンの一種であり、「つけ麺」、「もりそば」、「つけそば」などと呼ばれる。
1955年に「大勝軒」山岸一雄さんによって考案されたという定説がある。1990年代には、つけ麺専門店どころか、メニューとしても珍しかったが、2000年代に入ると一気に広まり、今やラーメンの一大ジャンルと言える。
つけ麺スープの基本の作り方
上記までに紹介した1〜9までのスープをベースとして使用する。
特徴としては、濃い味のスープに麺をくぐらせて食べるスタイルのため、ラーメンと比べお湯で割る希釈率を下げた濃度の濃いスープとして使う必要がある。
\お店で炊くのと同じ工程の天然スープを仕入れよう!/
12、「冷やしラーメンスープ」の作り方【ラーメンスープ】
ラーメンにおける冷やしメニューは、「冷やしラーメン」と「冷やし中華」とに大別される。「冷やしラーメン」は、麺もスープも冷たくし、時には氷を浮かべるものもある。
山形県や静岡県などでは、ご当地ラーメンとしての「冷やしらーめん」もある。
「冷やし中華」は、中国がルーツと言われ、味もスタイルも日本独自のものであるため、日本発祥とも言える。
冷やしラーメンスープの基本の作り方
上記までに紹介した1〜9までのスープを冷やして使用する。
\お店で炊くのと同じ工程の天然スープを仕入れよう!/
13、「まぜそばスープ」の作り方【ラーメンスープ】
スープのないラーメンもある、まぜそば、和えそば、油そば、汁なし、バンメン、伊麺などと色々な呼び名がある。汁なしの坦々麺も冷やし中華もまぜそばの一種である。
元を辿ると、中国の盤面であり、具や調味料をあえた麺のことである。日本ではスープのあるラーメンが主流となっているが、1990年代より油そばが台頭s、まぜそばのバリエーションが増え、認知されるようになっていった。海外ではスープのないラーメンとして日本よりも一般的に食べているような国もあり、1つのジャンルと言える。
まぜそばスープの基本の作り方
まぜそばにはスープは使わないものだが、タレ(かえし)と一緒に少量のスープを合わせて提供するお店も存在する。
その際の合わせるスープは一般的な、上記1〜9で紹介したラーメンスープを使用している。
\お店で炊くのと同じ工程の天然スープを仕入れよう!/
さいごに
以上のように、ラーメン作りを支える重要な「スープ」について詳しく解説しました。
この章では、スープ以外にも、麺やタレ、トッピングの作り方など、ラーメンに関する基本的な知識を豊富に取り揃えております。様々なラーメンの作り方を見ながら、ぜひあなただけの嗜好のラーメンを作ってください!
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