ラーメンの「油脂」について

あらゆる油脂は、さまざまな動植物の脂肪からできている。
油脂の風味は、その脂肪に含まれている成分からである。

油脂は2つに大別され、「精製油」と「未精製油」とがある。
「精製油は」不純物をろ過することで取り除かれたもので、保存性や高温にも耐えうるものとなる。

「未精製油」は風味の豊かなものである。成分が一定ではなく、発煙温度が低い。

油脂も食材であr、それぞれの油脂に特有の香りや味がある。ラーメンの場合、炒め物や揚げ物のような料理の媒介ではなく、香味油として口に入れるものとして用いることが多い。旨味を引き出す1つの食材として選択していく必要がある。

「植物性油脂」と「動物性油脂」の特徴

【植物性油脂に多い】【動物性油脂に多い】
不飽和脂肪酸飽和脂肪酸
常温で液体常温で固体のものが多い

動物性油脂の融点

動物性油脂は融点が高く、すぐに固まるので調理時に注意が必要である。

猪 : 28〜30℃羊 : 44℃
鶏 : 30〜32℃豚 : 33〜46℃
馬 : 30〜34℃鹿 : 55℃
牛 : 40〜50℃

動物性油脂について

動物の体内に含まれている脂肪を抽出・精製した油脂・油である。
植物性油脂に比べて、融点が高く、常温だと固体になることが多い。一般的なラーメンは動物性油脂を使って香味油を作ることが多い。

動物性油脂には動物の力強い味が溶け込んでおり、植物性油脂では感じることのできない風味とコク、重みがある。
注意点はスープ温度が低くなった時に油脂ができて、味や香り、食感を害することである。(油脂の抽出のことをレンダリングという)。

動物性油脂の一覧

1、豚脂

豚の脂肪。白色で硬くて、良い香りがするものが上級。欧米では未精製のものを食用として「ラード」というが、日本の場合は生成した食用のものを「ラード」と呼称する。

2、ラード(豚)

豚の脂肪を溶かして、固めたもの。肝臓周辺からとるリーフラードが高級。純正のものから、安定剤が入ったものまである。

3、背脂(豚)

豚のロース肉の上側にある背中の脂みである。ラードとの違いは、溶かしてせいせいしてあるかどうかである。

4、腹脂(豚)

豚の腹部にある脂身である。背脂よりも甘みがある。

5、鶏油(チーユ)

鶏にある脂肪、通常スープ作成時に抽出できるが、市販もされている。それぞれの鶏の味が顕著にある。鶏皮やお尻のあたりが多い。

6、牛脂(ヘット)

牛の脂肉から取られる脂肪。白または淡黄色。上級品は、ショートニングやマーガリンにもされ、下級品は石鹸や工業用に使用される。

7、羊脂

羊の肉から取れる脂肪。牛脂に似ているが、飽和脂肪酸が多く、少し硬い。香りが強く、山羊から取れるものも含まれる。

8、魚油

鯨油、鰯油、鱈肝油などがあるが、ラーメンに使われている例はあまり聞いたことがない。

植物性油脂について

植物に含まれる脂質を抽出・精製した油脂・油である。多くは植物脂は融点が低く、常温でも液体であるので扱いやす。
ラーメンの場合、動物性油脂に比べて、食後感が軽い点と凝固することがない点が扱いやすさが利点である。
特に冷やしラーメン油脂の凝固が懸念される場合は使われる。

植物性油脂の一覧

1、菜種油/キャノーラ油

日本で一番多く消費されてる。よく生成されたものは淡白な風味を持っている。固まりにくく、熱に強く、日持ちもする。種を炒って搾油する。

2、白絞油

菜種油の種を炒らずに、加圧して搾油するので、色の薄い油である。加熱してもコクと風味があるので、香味のベースには最適である。

3、紅花油/サフラワー油

植物油n中では、色や香り、癖が少なくヘルシーな油として人気がある。熱に弱い特性がある。

4、綿実油

上品な風味と口当たりの良さがある。酸化しにくく、風味の安定性が高く、加熱にも強い。

5、ごま油

ごまを炒ったあとで絞られる油で、香ばし味や香りと酸化しづらいことが特徴。
中国料理にもよく使われる。ラーメンにはそのまま称したりすることもある、炒r方によっても、味、風味が異なる。調理用のものは添加物なども入っているがラーメンには向かない。

6、太白ごま油

白ゴマを炒らずに、そのまま絞る「太白ごま油(たいはくごまあぶら)」は、ごま油ながら、無味・無臭で色々な香味油にも転用できる。

7、オリーブオイル(オリーブ油)

オリーブの果実から取れる油。風味の良い油であり、一般的なラーメンには用いないが、洋風なものには合う。エキストラバージンオリーブオイルは、一番搾りの良い香りがする。さらに30℃以下の低温で搾油する「コールドプレス」のものはより香りと鮮度の高いものである。その他、種類や産地や精製方法により品質が多岐にわたる。

8、ひまわり油/サンフラワー油

ひまわりの種子から搾油する。癖が少なく、菜種油と大豆油と並んで世界的に流通している油である。調理だけではなく、マヨネーズやマーガリンなど加工食品に多用される。

9、えごま油

別名はシソ油。非加熱で生食が水晶で、ヘルシー油であるが、酸化しやすい。

10、米油

米ぬかから作られる日本生まれのヘルシーな油。さわやかであっさりして、胃にもたれないので良い。

11、グレープシードオイル

白ワインを作る時に取り除かれたブドウの種子が原料。色はブドウの品種によって様々。油臭さがなく、サラッとした口当たりが特徴。調味する食材の味への影響が少ないので重宝される。ただし酸化しやすい。

12、ピーナッツ油

焙煎したピーナッツ独特の香りと風味が特徴。揚げ物に向いていて、品質が安定的で、熱が強く、低温で固まりにくい。

13、パーム油

世界で一番生成されている植物油。アブラヤシの果実から搾油。淡白な風味の油で、常温では固形だが、固形の強い部分と液状に近い部分があり分けで使う。いずれも安定性があり、高温にも強い。

14、大豆油

世界で2番目に生産量の多い植物油。日本の家庭にあるサラダ油は、大豆油にコーン油、菜種油をブレンドしたものが多い。

15、ココナッツ油

ココナッツの胚乳から搾油。生の胚乳を搾油するとヴァージンココナッツ油。乾燥した胚乳から搾油するとココナッツオイルとなる。

16、コーン油

アメリカで一番消費されている植物油。胚芽から搾油し、色は淡黄色で、香ばしい風味が特徴である。油キレがよく、揚げた後の保存性が良い。

17、亜麻仁油

亜麻の種子から搾油。酸化しやすく、ラーメンなどの加熱して使うものは向いていない。独特の風味と苦味が特徴。

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さいごに

以上のように、ラーメン作りに影の立役者と言える「ラーメン油脂」について詳しく解説しました。
この章では、油脂以外にも、スープや麺、トッピングの作り方など、ラーメンに関する基本的な知識を豊富に取り揃えております。様々なラーメンの作り方を見ながら、ぜひあなただけの嗜好のラーメンを作ってください!

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【記事を書いた人】 
FUMIAKI HOKAZONO

クックピット常務取締役