ボーンブロスと出汁の違いは?誰でもわかる比較解説

ボーンブロスと出汁、どう違うの? 

はじめに

「ボーンブロスって、出汁(だし)と同じじゃないの?」 

ボーンブロスとは、何世紀にもわたり遊牧民が摂取していた出汁スープの事です。鶏・豚・牛などの骨をじっくり煮だして抽出した「骨だしスープ」は、現代人に不足しがちな栄養素をたっぷり含んだ「スーパーフード」と呼ばれ、ここ数年でアメリカ・ニューヨークを中心に健康意識の高い人たちから注目を集め、プロアスリートの間でも毎日の健康維持のため食習慣に取り入れる方が増えていると言われています。最近、健康志向の高まりと共に“ボーンブロス”という言葉を耳にする機会が増えました。海外では”ボーンブロス専門店”が割と普通に知られていますが、日本でもここ最近ボーンブロスを専門に扱う店が増えてきています。 
一方で、日本人にとってなじみ深い“出汁”も、和食の要として日常に欠かせない存在です。鶏ガラスープ(出汁)に比べて、ボーンブロスは可能な限り骨の部分だけを煮込むことで、脂肪分が圧倒的に少ない出汁スープという事です。脂肪分が少なく・栄養価が高い出汁スープという事は、体にとってどのような効果が期待できるのでしょうか。 

見た目はどちらもスープのようですが、実は「製法」「成分」「栄養価」「使い道」すべてが異なる、まったく別のスープです。この記事では、ボーンブロスと出汁の違いをわかりやすく比較し、それぞれの特徴や使い方、健康効果について深掘りしていきます。 

ボーンブロスとは?|海外で人気の「飲むサプリ」 

● 骨から栄養素を抽出するスーパースープ 

ボーンブロス(Bone Broth)とは、鶏・牛・豚・魚などの骨を長時間(8〜24時間以上)煮込んで作るスープです。アメリカやヨーロッパでは、腸内環境の改善、美容、免疫力アップなどを目的とした“飲む健康スープ”として注目されています。 

骨をじっくり煮込むことで、以下のような栄養素がスープに溶け出します

コラーゲン:美肌や艶髪、関節の健康に効果的な役割を果たすたんぱく質。鶏・牛・豚などの骨を長時間煮込むことでコラーゲンがスープに溶け出し、煮込む過程でコラーゲンが分解され身体に吸収しやすい形になる。 

グルタミン・グリシンなどのアミノ酸:ボーンブロスには身体を作るために必要な20種類のアミノ酸が豊富に含まれているので、筋肉や内臓の修復、睡眠の質改善に効果が期待できる。また、20種類のアミノ酸の中には、体内で合成できない必須アミノ酸も含まれているため、ボーンブロスで積極的に摂取することは健康維持に必須。ボーンブロスに溶け込んでいるアミノ酸は消化吸収が良いことが分かっており、腸内環境の改善にも役立つと言われている 

ミネラル(カルシウム、マグネシウム、リンなど):骨や歯の健康維持、そして代謝プロセスに不可欠な栄養素。ボーンブロスにはミネラルを効果的に吸収できることが知られている。(カルシウム:骨・歯の形成など マグネシウム:血糖値の調整、血圧の調整など リン:エネルギー代謝など カリウム:体液のバランスの調整、筋肉の収縮関与など) 

ゼラチン:消化を助け、腸壁を守る働きがあるとされる。また、関節の健康をサポートしたり、美肌効果にも役立つと言われている 

市販のサプリメントよりも自然なかたちで栄養を補える点が支持され、ダイエット・ファスティング・腸活などにも用いられています。また、「腸は第2の脳」と言われているほど多くの神経細胞があり、脳からの指令がなくても消化や吸収を自発的に行っております。腸と脳は「脳腸相関」という関係があり、お互いに影響し合っていることが分かっています。よって、腸の環境を整え、腸を健康に導くことは、脳も健康に導く事と同じ働きがあり、メンタルヘルスに強く影響することが知られています。近年「腸活」がよく話題に上がっていますが、「腸活」とは悪玉菌の増加を抑え、善玉菌を良い状態に保ち、腸の働きを整え食べ物の消化吸収をスムーズに行うことで、免疫力がアップしたり、ビタミンを合成したりといい状態に近付けていくことで、身体全体が中から健康になる!ということです。そういったことから「ボーンブロス」での「腸活」が注目されているという事です。 

出汁とは?|日本の食文化に根ざす“うま味の素” 

● うま味を抽出する日本の伝統スープ 

一方の出汁(だし)は、日本食に欠かせない調味のベース。昆布・鰹節・煮干し・干し椎茸などの乾物を短時間煮出すことで、うま味成分を抽出した透明感のあるスープです。料理に深いコクと、素材本来の味を引き立て、風味豊かな料理を作ることができます。 

出汁の主な栄養成分・うま味成分には

グルタミン酸(昆布出汁:脂肪の吸収を抑える効果、血糖値の上昇を抑える効果など) 
イノシン酸(鰹節・煮干し:疲労回復効果、冷え性の改善など) 
グアニル酸(干し椎茸:血圧の数値を下げる効果、食物繊維が豊富なため健康効果にも) 

があり、これらが「第六の味覚=うま味」として世界中から注目されています。 

和食においては、味噌汁・煮物・炊き込みご飯など、多くの料理のベースに使われ、食材の味を引き立てる“調味料的スープ”としての役割が強いのが特徴です。また、出汁には栄養素も豊富に含まれており、鰹出汁には「たんぱく質・ビタミンD・カリウム・コラーゲン」など意外にも美容にいい成分もみられます。そして「昆布出汁」には「ミネラル・鉄分・カルシウム・ナトリウム・カリウム」などの成分がバランスよく含まれています。日本料理にはかかせない出汁ですが、脳の活性化やリラックス効果が期待されており、メンタル面の安定や認知機能・集中力アップなどさまざまな効果もしられています。特に鰹節の芳醇な香りには心を落ち着かせる効果がある成分が含まれていると言われています。日本人は昔から”お味噌汁を飲むとホッとする”のはこういった効果の表れかもしれませんね。 

因みに西洋料理では「スープストック」、中華料理では「湯(タン)」と呼ばれています。 

ボーンブロスと出汁の違いを比較! 

比較項目 ボーンブロス 出汁 
材料 骨(鶏・牛・魚など)+野菜+酢 昆布、鰹節、煮干し、椎茸など 
煮込み時間 8〜24時間以上 5〜30分、または水に浸す 
目的 栄養補給、健康維持、腸活 料理のうま味ベース、調味料代わり 
栄養素 コラーゲン、アミノ酸、ミネラル、ヒアルロン酸、グルタミン酸 うま味成分(グルタミン酸など) 
用途 飲む・スープ・美容・ファスティング 味噌汁・煮物・和食全般 
健康効果 美肌・腸内環境の改善・睡眠の質向上・関節の健康維持・免疫力アップ・骨粗鬆症予防・疲労回復効果・ダイエット効果・便秘解消 食欲促進・減塩サポート・生活習慣予防・冷え性の改善・記憶力アップ・リラックス効果 

このように、目的や効果がまったく違うことが一目で分かります。また、味にも違いがあり、ボーンブロスは骨をじっくり煮込む過程で出た濃厚なうま味があり、コク深い味わいです。そして、コラーゲンが多く溶け込んでいるのでトロミを感じる場合もあります。(材料や煮込み時間によります)その点、和風出汁は魚介や昆布の芳醇な香りにあっさりとした上品な味わいを感じることができます。うどんや煮物、お味噌汁など他の素材の味を引き立てるベースとなる味わいです。 

どちらが健康に良い?使い分けのポイント 

● 美容・健康目的なら「ボーンブロス」 

ボーンブロスは“飲むことで栄養がとれる”スープで、以下のようなメリットがあります

肌の乾燥を防ぎ、コラーゲンで肌にハリとツヤを!シワやたるみを改善する効果も 
グリシンによる睡眠の質向上 
腸の粘膜を修復し腸内環境を整え、便秘やアレルギー対策にも 
健康的なダイエットをサポート 
免疫力アップ 
ファスティングや糖質制限中のサポート食として最適 
関節の痛みや炎症を軽減、関節の動きを改善 

食事というより、健康補助食品的な位置づけで、ライフスタイルに取り入れやすいのが魅力です。 

● 食事の“うま味”を求めるなら「出汁」 

出汁は、和食の基本。料理を美味しく、そしてヘルシーに仕上げてくれる重要な存在です。 

うま味による満足感で、塩分を減らせる 
料理の素材を引き立てる 
消化吸収を助ける作用もあり 

食卓に毎日登場させるなら、出汁が圧倒的に便利です。 

ボーンブロスの活用法|こんなシーンでおすすめ! 

・朝起きた時に1杯のホットボーンブロスで体をリセット 
・食事の代わりにファスティングスープとして 
・冷えが気になる日に温活ドリンクとして 
・味を整えたくない料理のナチュラルな旨味追加として 
・炒め物やカレー、リゾットなどの隠し味に 
・プロテインの代わりに運動後のリカバリースープに 
・赤ちゃんの離乳食のお出汁としても 

市販品を使えば簡単に取り入れられますし、自作する場合は骨と酢と野菜を煮るだけなので意外と手軽です。お酢を入れることで、骨に含まれているたんぱく質を分解する働きがあるので、骨から栄養素をしっかりと抽出することができます。おススメはアップルサイダービネガー。腸に優しく、血糖値を安定させ、コレステロール値を正常に維持する効果が期待されます。免疫力の向上にも一役買っているので、ボーンブロスを自作する際には相乗効果を狙いましょう。 

※アップルサイダービネガーとは、リンゴ酢のことで、リンゴを原料として作られたお酢の一種です。爽やかなリンゴの香りが特徴。豊富な栄養素や酵素が含まれていることで有名で、健康志向の方に人気のお酢です。また、腸活にも役立つと注目されています。 

出汁の活用法|毎日の料理に手軽にプラス 

・味噌汁のベースに 
・炊き込みご飯やおでんなど、和の定番料理に 
・洋風料理でも“隠し味”として使える 
・減塩を心がけている人にも◎ 

出汁を取るのが面倒という方は、無添加の粉末出汁やパック出汁を使うのもおすすめです。 

結論:出汁は“味の要”、ボーンブロスは“体の要” 

「出汁」と「ボーンブロス」。 
どちらも“スープ”であることに変わりはありませんが、その役割はまったく異なります。 

・出汁は料理の味を整えるための調味スープ
・ボーンブロスは健康・美容を目的とした栄養スープ 

つまり、ボーンブロスは「出汁+α」のような進化系スープとも言えるでしょう。 

料理で使うなら出汁、健康を意識するならボーンブロス。 
どちらか一方ではなく、目的に応じてうまく使い分けることで、毎日の食生活がより豊かになります。 

よくある質問(FAQ) 

Q. ボーンブロスと鶏ガラスープの違いは? 

A. 鶏ガラスープは主に調理目的(味付け)で使われるのに対し、ボーンブロスは健康・栄養補給目的。煮込み時間や成分の濃度も異なります。 

Q. ボーンブロスの保存方法は?日持ちはする? 

A. 一度にたくさん作って、冷凍庫で3週間程度保存が可能です。また、冷蔵庫だと2~3日以内には飲み切りましょう。 

Q. ボーンブロスは毎日飲んでもいい? 

A. 基本的には問題ありませんが、塩分やカロリーの摂取量に注意し、自身の体調と相談しながら取り入れてください。 

Q. ボーンブロスの一日の摂取量は? 

A. 1日コップ一杯程度がおススメです。少量を数回に分けて摂取するのもおススメです。 

Q. ボーンブロスの美味しい飲み方は? 

A. 基本的にはそのまま飲んでいただけます。もし味を足すのであれば、塩で整える程度で大丈夫です。また、おろし生姜やおろしにんにくを加えると風味が豊かになり、さらに美味しく召し上がれます。 

Q. 出汁でボーンブロスの代用はできる? 

A. 栄養面では代用になりません。あくまで「味のベース」としての役割しか果たさないため、健康目的にはボーンブロスを選ぶのが正解です。 

まとめ 

このようにボーンブロスは私たちの体に嬉しい変化をもたらせてくれるスーパーフードです。それもとてもオーガニックな方法でナチュラルに健康と美容を手に入れることができるので、赤ちゃんの離乳食から、ご年配の方への健康食など幅広い年齢層の方に応用できます。ボーンブロスと出汁は、見た目こそ似ていますが、全く異なる背景と目的を持つスープ。 
しかしどちらも私たちの身体と心にとって重要な存在です。まずは生活の一部にボーンブロスを取り入れてみてください。初めは3週間様子を見て、続けられそうならまた3週間と、3週間をワンセットで考えてくださいね。始めて3週間も経つと何かしらの変化を感じることができると思います。それくらい現代人の腸は疲れているのです。 

健康的な食生活を目指すなら、ぜひ「出汁」と「ボーンブロス」の違いを理解して、賢くライフスタイルに取り入れていきましょう。 

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